土岐麻子「Bittersweet」
"あなたって素敵だわ あなたっていくつなの〜"の歌でおなじみの土岐麻子の新作『Bittersweet』。
土岐麻子のアルバムを聴くのは初めてだけど、こんな感じの音楽やっている人なんだ!と少し意外で、他のも聞いてみたいなぁと思った。
こちらの『Bittersweet』はコラム二ストのジェーンスーさんも関わっていて、実は僕はそこからこの作品を聞いてみようと思ったのだった。
ジェーンスーさんといえば「私たちがプロポーズされないのには101の理由があってだな」や「貴様いつまで女子でいるつもりだ問題」の著者であり、今女性の間で人気だ。
ただ、そこに留まらず、男の気持ちもよく踏まえてくれてるなー、というのが彼女がパーソナリティを務めるTBSラジオ「相談は踊る」を聞いていているとよく分かる。
そんないろんな立場の人の心情を心得てるスーさんが関わった歌詞などはぜひ聞いてみないといけないだろ!と思った次第である。
捨て曲なし。とはよく言われる言葉だが『Bittersweet』は本当に捨て曲なしだ。
ダンスチューン「セ・ラ・ヴィ〜女は愛に忙しい〜」から始まり「BOYフロム世田谷」で上がったところからメロウな曲が続いていく。
そして特に好きなのが最後の「きみだった」から「地下鉄のシンデレラ」の流れだ。
色々悩む事はあるけれど、進んでいこうというちょっと晴れやかな気持ちでアルバムを聴き終わることができる。
このアルバムは曲順がすごく効いているので、"アルバムを通して聴く"というのが結構重要な気がする。
そして歌詞が特に良いなと思ったのが「BOYフロム世田谷」だ。
"本音を迂回するのよ"とか"夢見るBOYそれでも好きだった"とか男の気持ちも分かるし、女の人もそんな風に思っているのか!!というような男女両面からおお!!という感じで、味わい深い。
あとジェーンスーさんと共同作詞の「セ・ラ・ヴィ」の"三度目の運命の恋もただの人違い"というのも自虐しすぎず、センチメンタルになりすぎず、かつフツフツとした不安みたいなのも感じられて、言葉遣いがうまいなぁと思った。